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フランス近現代 ソナタの夕べ |
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Musique
Française Moderne et Contemporaine 5
Sonates |
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「名古屋フランス音楽研究会」も皆様の暖かいご支援のお陰をもちまして四年目を迎え、第七回公演は秋にふさわしくソナタ名曲集の夕べとなりました。今夜演奏される五つの楽器による五人の作曲家の作品は、それぞれに味わい深く、内面性と華やかさが錦織のように音楽で綴られています。フランス音楽が伝統的に有する明晰さと理性、そして洗練されたエスプリや色彩的ハーモニーに加え、今日のプログラムにはもう一つの側面があります。 それは歴史的に近代から現代へかけ二つの世界大戦がありましたが、その経験と苦悩を乗り越えたフランス人作曲家達がさらに活力に満ち、人間の心のひだを作品に刻み込みこんだ事です。又特に作品中息づく生命感はソナタという形式の中でこそ保たれる均衡と情熱、その共存故に生まれ得た賜物ではないでしょうか? 晩秋の一夜、奏鳴曲の中で表現される色とりどりの人間讃歌をゆっくりご鑑賞下さい。 |
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フランス近代作曲家 Musique Française Moderne |
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Gabriel PIERN (1863〜1937) |
Francis POULENC (1899〜1963) |
Gabriel FAURE (1845〜1924) |
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フランス現代作曲家 Musique Française Moderne |
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Né à Paris (1926〜 ) |
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PROGRAMME
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G.Pierné Sonate pour piano et violon op.36 ピエルネ ヴァイオリン・ソナタ |
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T.Alegrette アレグレット U.Alegrette tranquillo 穏やかなアレグレット V.Andannte non troppo ― Alegrette un poco agitato 落ち着き過ぎず ― 少しせき込んだアレグレット |
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作曲家兼有能な指揮者であったピエルネにより 1900年にこのソナタは作曲され当時の名ヴァイオリニスト、ティボーに捧げられた。全体に型にとらわれない自由なスタイルで書かれロマン性漂う佳品。第一楽章は二つの楽器の微妙なポリリズムのからみが華麗に展開され、第二楽章ではシンプルで優しくあたかもメルヘンの世界を思わせる。短いレチタチーヴォ付きの第三楽章はスイングするようなリズムが楽しく、高らかに歌と共に力強く華やかに曲は終わる。 |
Vl.竹田千波 Pf.渡辺理恵子 |
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J.Casterède Sonate pour clarinette et
piano カステレード クラリネット・ソナタ |
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T.Con moto 動きをもって U.Scherzo スケルツォ V.Lento (Elégie) 遅く(エレジー) W.Allegretto tranquillo 静かなアレグレット |
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パリで生まれたカステレードは1944年パリ音楽院に入学し、1953年には作曲家の登竜門であるローマ大賞を獲得。このソナタはそのローマ留学滞在中(Villa Medicis)、1956年に作曲された。構成は四楽章からなる典型的なソナタ形式で、生きいきとしたリズムが強い個性を表現しながらも比較的聴きやすい作品となっている。1960年には母校パリ音楽院に教授として迎えられ、現在も作曲活動を続けている。 |
Pf.菅原美枝子 Cl.竹内雅一 |
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J.Rivier Sonate pour piano en 5
mouvements リヴィエ 五つの楽章からなるピアノのためのソナタ |
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T.Fluide 流れるような U.Incisif 切り込むような V.Concentré 濃縮した W.Souple しなやかな X.Violent 熱狂的な |
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1918年パリ音楽院に入学しコサードに学んだリヴェは卒業後、室内楽推進集団“トリトン”の指導者として活躍。第二次大戦後はミヨーと共にパリ音楽院の作曲家教授に就任し、積極的に作品を発表しながらフランス古典音楽の要素と印象主義を結びつけた様式を創り出した。このソナタは楽章ごとに標題通り明確な変化と表現で構成され、立体性に成功している。人間的深淵さも兼ね備え、不思議な魅力を有している。 |
Pf.竹中勇記彦 |
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F.Poulenc Sonate pour flûte et piano プーランク フルート・ソナタ |
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T.Allegro malinconico アレグロ・マリンコニーコ U.Cantilena カンティレーナ V.Presto giocoso プレスト・ジョコーソ |
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フランス近代において重要な位置を占めたプーランクにとってこのソナタは晩年の最高傑作のひとつであり、又20世紀最高のフルート作品ともいわれる。58歳の1957年に南フランスのカンヌで作曲され、同年ランパルのフルート、作曲者自身のピアノで初演され絶賛された。全曲に絶え間なくプーランクの特徴である優美なメロディーが溢れている。これは初演で絶賛の要望に答え、アンコールされたという第2楽章に特にみられる。 |
Pf.杉浦雅子 Fl.筧 孝也 |
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G.Fauré Sonate pour violoncelle et
piano No2
フォーレ チェロ・ソナタ 第二番 op. 117
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T.Allegro 快速に U.Andante アンダンテ V.Allegro vivo 生きいきと速く |
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この曲はパリ国立音楽院を辞任した翌年1921年、フォーレ76歳の春と秋を通じパリとアックス=レ=テルムで作曲された。このソナタの第二楽章はナポレオン一世の死後100年の記念式典のためにフランス政府から委嘱された儀式用の作品で「葬送歌」を書き改めたもの。激しい悲しみの歌の中にバッハの最も美しい作品を思わせるコラールの旋律からなる第2主題が織り成され、深い感動を呼ぶ。1922年5月国民音楽協会の演奏会でG.エッキングのチェロとA.コルトーのピアノにより初演され素晴らしい成功を収めた。 |
Vc.天野武子 Pf.カザボン田島三保子 |
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〜アンコール曲〜 バッハ−グノー作曲 「アヴェマリア」 |
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Fl.筧 孝也 Vl.竹田千波 Pf.C.田島三保子 Vc.天野武子 Cl.竹内雅一 |
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